「アマミキヨのものがたり」~紙芝居師なっちゃん・琉球のカミサマ紙芝居~
むかしむかし。いきとしいけるものがうまれる前のお話。
ここは、ひろいひろいうちゅうのどこか。ここにカミサマたちは住んでいた。
この場所を「ニライカナイ」と呼んでいた。
ニライカナイにかわいらしい二人の神様が暮らしていました。
アマミキヨとシネリキヨ。2人はとっても良し。
シネリキヨは、アマミキヨをある場所に連れていった。
とっても美しい瑠璃色の星。
2人は瑠璃色星(るりいろぼし)を見つめながら想いを馳せる。
神様のリーダーである、天帝さまに瑠璃色星の話をすると・・・
瑠璃色星に二人で降りることを提案される。
アマミキヨはワクワク。
シネリキヨは、もうニライカナイに戻れない、寂しいという。
天帝は、ある植物の種を二人に託す。
これを植えれば、ニライカナイと瑠璃色星は繋がれるのだ。
この種を植えて、お前たちは、瑠璃色星の神様になるんだ。
そう告げる。
アマミキヨ、シネリキヨは、白い馬に乗って、
ニライカナイを去り、瑠璃色星に降りる決意をする。
瑠璃色星に光る目印を見つける。そこに降りようとするが
風が強くて降りることが出来ない。
天帝さまから授かった矛「シマグシナー」を、瑠璃色星のくぼみに刺して
瑠璃色星に降りようと試みる。
2人でシマグシナーを星に刺す。すると・・・
刺した場所から鮮やかな火が吹きあがり、地面が隆起し、熱を帯びて天変地異が起きる。
そして瑠璃色星は、光のエネルギーに包まれていった・・・
2人が目を覚ますと、瑠璃色星に穏やかさが戻っていた。
2人がシマグシナーを刺した場所から、大地が生まれていた。
辺りを見渡すと、そこは瑠璃色星。碧、土、空。
これぞ水の星、瑠璃色星。この星を瑠璃色星のような場所にしようと・・・
手に握られていた種を見つけ、この場所にこれを植える決心をする。
そして2人の子どもを作り、子どもたちと種を植え、育てて、
瑠璃色星をニライカナイのような星にすることを誓う。
やがて、二人は五人の子どもを産む。
神の子どもたちゆえに、泣くと嵐になり・・・
雨が降り、喜ぶと雷が鳴る。
子どもたちに翻弄される、アマミキヨとシネリキヨ。
しかし、スヤスヤ眠る我が子を見ると、日々の幸せを感じる2人。
やがて子どもたちは、立派な大人に成長した。
子どもたちはそれぞれの場所で稲を育てることを告げる。
瑠璃色星の地図を広げ、それぞれの場所で種を植え、稲を育てる計画を立てる。
この種を育て方を、人間たちに教えることを誓う。
父親のシネリキヨもアマミキヨのもとを離れ、神様親子たちが旅立った。
アマミキヨはこの場所に戻り、一生懸命種を植え、育て続ける。
雨の日も風の日も、種を植え続けました。
そして、こう祈るのである。
「ニライカナイの神様、天帝さま、
この稲を育ててくれる、瑠璃色星の水に感謝します。
この稲を育ててくれる、大地に感謝します。
この稲を育ててくれる、太陽に感謝します。
そして、瑠璃色星に住む人たちと、ニライカナイが、
再び結ばれますように・・・ 」
そのアマミキヨの姿を泣きながら見ている人間の姿がありました。
神様であるアマミキヨが自ら稲を育てる姿を見て・・・
人間たちも、自ら進んで稲を植え始めました。
アマミキヨの想いが通じた瞬間でした。
アマミキヨは、人間たちと一緒に、稲を育てました。
そして祈るのです。
「瑠璃色星に住むわたしたちと、ニライカナイが、
再び結ばれますように・・・ 」
こうして、立派な稲が実りました。
この稲は神様の“わけみたま(分け御霊)”
食べることで、カミサマとつながれる。
皆で稲をもみ、米粒にして、食べましょう。
そして祈るのです。
「瑠璃色星に住むわたしたちと、ニライカナイが、
再び結ばれますように・・・ 」
そのころ・・・・
稲からお米になったコメツブは、たった一粒で孤独になったことを寂しがっていました。
稲の時に仲間だった皆を探すけれど、見つからない。
真っ暗な場所に光が射してきた。
そこに人間の手が現れる!!コメツブ、ピンチ!!
米粒は、人間の手によってギュッギュと握られてしまう・・・
その時・・・
久しぶり!!元気だった??
そう。ここで稲だった時の仲間と再会する!!
さらに、ギュッギュと握られたことで、コメツブの身体にリボンが出来て、結ばれる。
さらに、真っ黒なパリパリのお布団にくるまれて、
またみんなとひとつになった。
小さな米粒は、ピッカピカの、フッカフカの、大きな家族になりました。
おしまい。
こちらの動画と合わせて、ご覧くださいませ!
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